【60】プロジェクトはチームワーク次第

レリオ・ヴァレラ(Lelio Varella)
ブラジル、リオデジャネイロ、チジュカ

 プロジェクトは分野横断的な奮闘のかたまりです。非常に多様性に富んだ人たちが総力をあげて、協力して実行するものだと言ってもよいでしょう。各人をスキルと能力にしたがって適切に配置し、連携させることで、チームメンバーは大きな成果を生み出し、ステークホルダーの期待を満足させるのです。IT 関連の開発プロジェクトの場合、例えば次のようなアクティビティやグループに分類できるでしょう。

 アクティビティというのは、異なるグループから個人として参加する作業単位になります。最終的にはベンダーやサービスプロバイダといった外部組織からも参加することになるでしょう。

 グループというのは、さまざまな知識と能力をもった人たちによって作られ、実際にアクティビティを管理したり実行します。各グループのメンバーは通常、各自固有のアクティビティ群にかかわります。

 プロジェクト環境において、効率よく仕事をしてよい結果を生み出すためには、個人が所属する部門や組織に責任を割り当てるのではなく、個人に直接責任を割り当てるべきです。そして、その責任の割り当てをプロジェクト計画に明記しておくべきです。

 個人の能力に応じて、またアクティビティの性質に応じて、個人が同時に複数の役割を果たしても構いません。状況によってはリーダーとして行動し、状況によっては担当者として行動することもあるでしょう。

 プロジェクトの成功に向けた各グループからの参加と貢献はすべて、グループメンバーが達成したアクティビティ全体として評価されます。個人の責任は責任マトリックスとして示されているかもしれませんが、プロジェクトに参加している各グループのアクティビティと全体責任の共通ビジョンも必要になります。

 どんなプロジェクトにも複雑な多様性があるものですが、ソフトウェア開発プロジェクトではそれが顕著に見られます。プロジェクトが成功するかはチームワーク次第ですが、これは 2 つの重要な原則に依存しています。それは委任と責任です。

 委任はプロジェクトの WBS(Work Breakdown Structure)の記載にしたがう必要があります。完了しなくてはならない仕事を分割しましょう。そして、その仕事を適宜完了していくために、割り当てを分割しましょう。本当に大きなプロジェクトを理解し、実行し、管理するためには、これが唯一実行可能な方法になります。

 タスクを委任するためには、各タスクに要求される技術力および管理能力の適切な組み合わせを考慮する必要があります。そして、いったん委任したら干渉してはいけません。あなたはプロジェクト・マネジャーとして監視し、サポートし、結果について尋ねる必要があります。そうすることで、彼らにモチベーションを与え、彼らから尊敬を得て、チームメンバーの「責任能力」を育てるのです。

 「責任能力」にはあらゆる責任を負うことも含まれます。だれかにタスクを委任するときも、タスク割り当てを受け入れるときも、このことを覚えておきましょう。各人のスキルと能力をタスクに釣り合わせましょう。

 リーダーシップ、委任、責任、これらがすべて整うと、これらは互いに支え合います。そうなれば、さらによい結果が得られることはほぼ間違いありません。これがプロジェクトを成功へと導くのです。