【21】紙とペンでゲームを作る

鶴 剛史

 みなさん、ボードゲーム†はとても楽しいんです!

 サイコロを振るのはシンプルに楽しい。狼になって村人を食べるのも楽しいし、ヘタウマな絵を書いたり、ネンドをこねたりするのも、また楽しい。

 「ボードゲーム」とひとことで言っても、さまざまな楽しさ、ゲーム性があります。勝ち負けに白熱するものもあれば、それとは別な部分、その過程や交渉などの駆け引きやロールプレイするといった楽しさもあります。

 それらは何によって実現されているのか……それは一緒に遊ぶプレイヤーとの関わり、コミュニケーションによって生まれています。

 ボードゲームでは、1 ~ 2 時間で楽しめるシンプルなルールで多様な楽しさを提供しています。

 今ではゲームと呼ばれるものはオンラインではもちろん、オフラインでも多くのプレイヤーとの関わり、コミュニケーションをもって遊ばれるようになりました。

 そのなかで、ボードゲームを知ることは、多人数で遊ぶことで「何が楽しいのか」「それは何によって生まれるのか」を学べるので、とても良いツールだと考えています。

 そう、ボードゲームを遊ぶことは、ゲーム開発者にとって勉強なんです!

 筆者も定期的にボードゲームを遊ぶゲーム会を主催しておりますが、毎回、大勢の方が参加してくれています。本当にみなさん勉強熱心だなぁと感心するばかりです(笑)。

 ボードゲームの利点はもうひとつあります。

 紙とペン、ハサミといった簡単な道具があれば、ゲームが作れてしまうことです。GDC では短い時間でアナログゲームを作る、ゲームデザインワークショップが行われています。そこでは、画用紙や数枚の名刺サイズのカード、ポストイットなどで、ゲームがデザインされています。

 そう、仕様書を書いて、プログラマーにお願いしなくても、Unity がなくても、紙とペンがあればゲームは作れるんです!

 ゲームを短時間で、しかもアナログな手法でデザインするといっても、その流れは我々がやっているゲーム制作と同じです。コンセプトやテーマを分析し、その分析に基づいてゲームをデザイン、実装、テストプレイして修正する…… 1 年 2 年かけて制作するものより、1 つのアイデアでダイナミックに変化するアナログゲームのデザインは、より密度が高い時間を体験できると思います。

 SIG-BoardGame では、このようなボードゲームにある利点を活かし、より良いゲームを制作するために、ゲーム開発者や開発者をめざす方々に向けて、MDA フレームワーク††をベースとしたワークショップ†††やボードゲーム交流会を行っています。

 ぜひ、ゲームデザインによってより良いコミュニケーションを実現したい方は、SIGBoardGame の活動にご参加ください。

 そのほか、イベントの参加以外にも、SIG の運営のほうにご協力して頂ける方も募集しております。

 ご興味ある方、ご連絡ください!