【89】頻繁に即座にミーティングする

リチャード・シェリダン(Richard Sheridan)
アメリカ、ミシガン州アナーバー

 プロジェクト・マネジャーは、チームにとって苦痛なミーティングを定期的に開催するという間違いをするものです。これは実際のところ、コミュニケーションを減らすという不幸で意図せぬ効果をもたらします。最も恐ろしいミーティングのひとつが、典型的な月曜朝の進捗ミーティングです。そうでなくても月曜日は十分ひどい日なのに。

 もしほとんどのミーティングをなくすべきだということに確信がもてないなら、ひとつ実験をしてみましょう。プロジェクト・マネジャーとして、あなたはミーティングに出てはいけません。そうして信頼できる同僚のひとりに、あなたが欠席したミーティングがどうだったか聞いてみましょう。あなたが不在でも開かれましたか?

 もし上司やプロジェクト・マネジャーが出るときだけミーティングが開かれるようなら、そのミーティングはなくしてしまいましょう。ミーティングから価値が得られないことをチームは教えてくれています。ひとりだけしか価値が得られないようなミーティングを開いてはいけません。

 私の組織では、非生産的なミーティングを廃止して、簡単なチームメンバー間のコミュニケーションパスに置き換えるよう、できる限りのことをやっています。例えば、チームは毎日、一日中、壁も個室もパーティションもドアもない、ひとつの大きな部屋で仕事をします。そのため、だれかに聞きたいことがあると、こう言うだけでいいのです。「ねえ、ジェームズ」 30 秒もしないうちに、実際に移動することなく(あるいはメールをあちこちに送ることなく)、ジェームズと私は必要な情報を交換してそれぞれの仕事に戻れます。

 「ねえ、みんな」と叫ぶだけで簡単に設定できる 60 名の全社ミーティングを想像してみてください。全員が手を止めて返事をします。「やあ、リッチ」

 ミーティングはほんの数分で終わって、全員席を離れることなく仕事に戻れるのです†。

 私たちが出なくてはいけない儀式のようなミーティングには、プロジェクトの進捗をスポンサーに見せる毎週の「発表会」、プロジェクトスコープを承認する毎週の「計画ゲーム」、毎日の「スタンドアップミーティング」、プロジェクトの共通目標に向けて、次週どのように協力していくかをブレインストーミングする毎週の「キックオフミーティング」といったものがあります。しかし、これらのミーティングには参加者を心地良く、楽しくする仕掛けがあります。

 1 週間、毎日のスタンドアップミーティングに挑戦してみて、うまくいくか調べましょう。スタンドアップミーティングを効果的にするために私たちが学んできたことを以下に紹介します。

 私たちのスタンドアップミーティングには通常 13 分ほどしかかかりません。13 分で、ミーティングを招集し、全員が集まり、ミーティングが開催され、全員に話す機会を与えて終了し、再び仕事に戻るのです。60 名の意味のあるミーティングを 13 分で終えられる組織はそうはないでしょう。