【50】ロードマップを作ろう
プロジェクトチームの内外において、すぐれたコミュニケーションがあることはプロジェクト成功の重要な要素となります。あらゆるプロジェクトにとって重要なコミュニケーションツールは、公式のプロジェクトロードマップです。プロジェクト計画は、プロジェクトチームがタスクレベルの変更に対してどう対応するのかを決めるのに役立つものです。これに対してプロジェクトロードマップは、広範囲のステークホルダーたちがハイレベルで起きている変化を理解するためのものです。プロジェクトロードマップは、計画的な変更、具体的な変更のタイムフレーム、そしてこれらの変更がビジネスに与える影響を伝えるのに役立ちます。
それでは、どのようにしてロードマップを作ればよいのでしょうか? まず最初に、最上位のステークホルダーからインプットを得ましょう。彼らにとって、どのフィーチャーが重要なのでしょうか? 各フィーチャーの優先順位はどうでしょうか? ビジネス面から見て、いつまでにどのフィーチャーを用意することが重要なのでしょうか? 顧客の声を集めましょう。それがロードマップのドラフト作りの基礎となります。
それではロードマップのドラフトを作りましょう。これは現実的なタイムフレーム(通常は 3 か月ごとがよいでしょう)でまとめたハイレベルなフィーチャーリストになります。ロードマップには各フィーチャーに関するビジネス価値(例えば、注文に要する時間を 2 分まで削減する、注文に要するコストを 10 ドルまで削減する)を書いておきます。もしビジネス価値が書けなければ、そのフィーチャーを入れることの妥当性について疑問をもつべきです。つまり、具体的なビジネス価値のないアイテムはロードマップに現れるべきではないのです。そうしたアイテムは投資対効果分析という形で、さらなる精査が必要になります。
うまくドラフトができたら、プロジェクトにとって重要な幹部スポンサーとステークホルダーからフィードバックを得ましょう。ステークホルダーがさらなる明確化を要求したり、優先順位について懸念を表明したり、ロードマップから漏れているアイテムについて注意喚起できるよう、議論のためのライブフォーラムを用意しましょう。率直な議論をすることによって、プロジェクトに対する理解が得られます。そして、ロードマップがステークホルダーの優先順位に合っていることを確かめることができるのです。彼らから受け取ったインプットにしたがって、ドラフトを調整していきましょう。理想的には、このステップが完了すると、すべての重要なステークホルダーが納得するロードマップができあがります。
最後に、大きな声でそれを読み上げてください。ロードマップをプロジェクトの Web サイトの目立つところに貼って、ほかのステークホルダーたちにも見せるのです。ロードマップをプロジェクトのための主要なコミュニケーションツールとして使いましょう。プロジェクトが順調に進んでいるか確認するため、3 か月ごとにロードマップをレビューしましょう。何がすでに完了していて、次の 3 か月で何ができるようになるのか、ステークホルダーと話をしましょう。もしプロジェクト遅延のためにロードマップを見直す必要があるなら、ドラフト段階にまで立ち戻って、もう一度やり直してください。そして、新しく改訂した計画を関係者全員に伝えましょう。
プロジェクトのロードマップを作ることによって、ステークホルダーに発言権を与えるとともに、彼らが期待しているものを自覚させることができます。そして、大事なことを言い残していましたが、ロードマップはあなたのチームがこれまでの 3 か月で何を実現してきたか、他人に伝えるための確実な方法にもなるのです。