【92】新しい言語を学べ

バークハート・ハフネーゲル

 アーキテクトとして成功するためには、あなたの母国語を話せない人々にもあなたのことを理解してもらえるようでなければなりません。いや、エスペラントを勉強しろと言っているわけではありませんし、ましてクリンゴン語を学べなどとは言いませんが、少なくともビジネス語とテスト語の基本は知らなければなりません。そして、プログラマ語を流ちょうに話せないなら、まず最優先でこの言葉を覚える必要があります。

 こういった他の言語を学ぶ意味が理解できないということでしたら、次のようなシナリオを考えてみてください。ビジネスサイドの人々が既存のシステムに変更を加えたいと思い、そのことについて議論するために、アーキテクトとプログラマーを呼んで会議を開いたとします。残念ながら、技術チームにビジネス語をしゃべれるメンバーはおらず、ビジネスサイドにもプログラマー語を話す人はいません。会議は、次のような感じになるでしょう。

 問題は明らかでしょう。どちらのグループも、相手グループがどのように考え、彼らが使っている言葉がどんな意味なのかがわからないでいます。これでは、誤解と不信を招くでしょう。人は自分と大きく異なる人たちよりも似ている人たちといっしょにいた方が心地よいということは、ごく基本的な心理学の原則です。

 もし、アーキテクトがビジネスピープルにも理解できる用語でシステムの問題を説明することができ、プログラマーにも理解できる用語でビジネス問題を説明することができれば、先ほどのシナリオがどのように変わっていたかを想像してみましょう。驚いたり不信を感じたりするのではなく、合意、承認という結果が得られていたはずです。

 複数の言語を学べばすべての問題が解消できると言うつもりはありませんが、問題の原因となる誤解や不信を防ぐためには役に立つでしょう。

なるほどと思う読者には、是非成功を収めていただきたいと思っています。同じことをクリンゴン語で言いましょう。カプラ!